「カッカッカーのカッカッカー」——いるだけで楽しい気持ちになってくる、山形県上山市の奇習「加勢鳥(かせどり)」

見に行きたいと思っていた神事のひとつ、山形県上山市の奇習「加勢鳥(かせどり)」をようやく見に行くことができました。

一言で言うと、藁でつくった全身を覆う傘をまとって、寒空の下水をかけられながら市中を練り歩く変わったお祭りです。

この加勢鳥は山形県上山市に限らず、全国にあるようで宮城県や佐賀県に今でも残っています。想像ですが、おそらくかつてはもっと多くの地域にあったことでしょう。それは加勢鳥に限らず、例えば秋田県の有名ななまはげによく似たものが、岩手県三陸地方にスネカ・ナモミとしてあります。

上山市の加勢鳥は昭和後期から平成にかけて、担い手不足による存続の危機があったそうで、現代的にリメイクされています。なので、行くだけ、見るだけで楽しくワクワクするような内容になっています。基本的な流れはおそらく変わってないと思うのですが、練り歩くときのパフォーマンスがすこぶる楽しい内容になっています。

秋田県に本拠地を置く劇団わらび座がつくったと言われる舞と踊りは、見ているだけで本当に楽しい気持ちになります。「カッカッカーのカッカッカー」と独特の拍子と歌と踊りを繰り広げる様子は、耳に残るだけでなく、ワクワクしてくるわけです。

上山市の加勢鳥、遠くの方だと横浜あたりからも参加しているだけでなく、10年もの間参加されている方など、各地の方から愛されているようです。

これは、各地の地域行事にとって参考になる事例だと思います。

ひとつでも多くの地域のまつりごと、地域行事がこれからも残っていくことを願っていますし、なにかできることがないものかと考えていきたいですね。

行ってみて、すごく楽しい神事でした。
寒空の下ケンダイをまとって市中を歩いて踊ってくれたみなさんに感謝です。