北関東以北の山歩きでオーバーナイトする場合、テント泊できる場所が限られるため、だいたいは避難小屋を使うことになります。
代表的なところだと尾瀬。
そして友人と以前からテント泊に行きたいねと、話していた三斗小屋温泉。
煙草小屋旅館でのテント泊はよく知られていて、たしかに煙草屋旅館の露天風呂は魅力的です。
ただ、予約を取るのがなかなか大変。
休日の予約だと、争奪戦と言ってもいいかもしれません。
同じ三斗小屋温泉に構える大黒屋旅館でもテント泊をしているとを知り、その友人と行ってきました。今回は、そんな那須連峰での山歩きと大黒屋旅館の話となります。
7月の頭の早朝。新白河駅で友人と合流して那須登山口へ。
特に渋滞や駐車場に車を停めることができないようなこともなく、スムーズなスタート。
登山口から分岐までは45分ほど。
この日は強風。
前回来たときはそれほどでもなかったのですが、風の通り道ということです。
あの日は運がよかったのでしょう。
2つのルートを検討していましたけれど、まっすぐ三斗小屋温泉を目指します。
三斗小屋温泉は、直接向かうルートであれば樹林帯を抜けるといきなり開けます。
右手側が煙草屋旅館で、左手奥側が大黒屋になります。
煙草屋旅館は登山道横にテント場があります。
大黒屋は、建物から50mほど上のヘリポートの敷地をテント場として貸し出してくれています。
ヘリポートなので、緊急時には急いでテントを撤収する必要があるそうです。
ヘリポートだけあって、テント場はなかなか広いです。
余裕を持った感じだと、2人用が8張くらいでしょうか。
キツキツならもっと入ると思いますが、キツキツなら泊まらないかな……自分なら。
なにはともあれ温泉です。
テントを張ったら、さっそく大黒屋旅館に行ってみます。
雰囲気が良いですね。
もちろん、近代的な旅館も良いですし、尾瀬小屋も大好きです。
ただ、このおもしろさはこれからも残り続けてほしいです。
ひとっ風呂いただいたので、さっそく晩酌。
明るいうちから飲めるハッピー。
登山口に向かう途中にあるお肉屋さんで調達したソーセージは、かなり美味しかったです。
大黒屋旅館で買ったヱビスビールとよくあう。
テント場からは、遠くにおそらく燧ヶ岳でしょうか。
いいなぁ。再び尾瀬に行きたい。
その後も温泉を頂戴して、大黒屋旅館の夜の館内を見て、旅館にも泊まってみたいなと思いました。
日本秘湯の会、ランプの宿、すごくいいですよね。
電気がないとか、携帯の電波が届いてないとか、社会から切り離されているとか、すごくいいと思うんです。
常にそうだと困ると思うのですが、時には切断されている、いや、切断される自由を持っているというのがすごくいいと思うんですね。
つながっている方が便利ですけれども。
翌日は温泉の源泉を見たり、茶臼岳を登頂したりして、楽しんで帰りました。
思い返しても、自分が自分でいることのできる瞬間がある、ということの大切さを感じる旅でした。