「自然」は不思議だし、知れば知るほど楽しいし、見ているだけで楽しめるしと、もともと好きだったのですが、山歩きを通して自然を観るきっかけになったのが「安達太良山」。
写真を撮りに行った裏磐梯の五色沼でスニーカーがグチャグチャになってしまい、「これはいかんな」とトレッキングシューズを買い、さっそく使ってやろうとネットで調べた安達太良山の自然歩道の写真を撮りに行ったところ、自分よりはるかに年上の人が山を登っていくので、これは自分もできるだろう、と気軽に歩きはじめたら、山歩きを通しての自然観察にハマってしまった、という極めて単純な流れ。
そんな単純な話しですが、自然観察をしたり山を歩いたりすると、頭の中が空っぽになってスッキリするところや、ふだんとちがった…それこそ本当の意味でのちがった視点から観ることで、息苦しさを感じている自分の頭の中に風穴が開くのが、今の自分にとっては貴重な体験だったりします。
今回の安達太良山も、いろんな自然を観ることができました。
歩きはじめてさっそくヤマユリ。
やはり自然の中で見ることができると、わくわくしますね。
このところ天気が急変しやすかったせいか、足下もぬかるんでいるポイントがたくさんありますし、いつもの川も勢いよく水が流れてました。
毎会のことなんですが、歩きはじめてたいして時間が経ってないのに、ここに来ると足を止めてしまうんですよね。
安達太良山のどこが好きかというと、初夏は登山道の木漏れ日がすこぶる気持ちいいのです。
暑いんです。とにかく。
でも、木漏れ日の中を歩くと、足を前に運ぼう、という気にさせてくれる。
ふだんの砂利道が、ぜんぜん違って見えてきます。
コバギボウシ?花や昆虫は苦手です…きちんと覚えたいのですが。
ジオパーク専門員をしていたころは、ガイドのみなさんがよくご存じだったことをステキだなぁ、といつも思ってました。
一朝一夕に覚えられるわけはないので、きっと努力したのだと思います。
自分も覚えることができるかな…?
つづら折りの登山道を歩いて高度を上げていくと、ゆるやかな場所へ。
ここからいくつかの山を見ることができるのが、またいい。
そしてくろがね小屋。
いつか泊まろうと思っているのですが、なかなか行くことができてないです。
くろがね小屋の広場で休憩をして、一気に高度を稼ぐと稜線へ出ます。
安達太良山の稜線で見ることができる絶景で代表的なのは、西側に広がるパノラマと沼ノ平火口ですね。茶臼岳や須川岳(栗駒山)と歩きましたが、こちらの様子はまさしく異世界。
ある友人が、この風景を「火星みたい」と言ってました。
ふたりとも火星に行ったことないんですけどね。
安達太良の稜線は、南北に見ることができる安達太良山、鉄山だけでなく、東側の阿武隈川沿いに続く都市と西側の磐梯山、猪苗代湖、裏磐梯の湖沼群が見事なのです。
ふだんはシーズン頭か末期に行くのでサッと歩く程度ですが、今回はせっかくなので、箕輪山を見るために鉄山方面へ足を伸ばしてみました。
この稜線が細い「馬の背」と呼ばれる部分で、東側の眼下にはくろがね小屋と岳温泉の源泉群があります。
鉄山の稜線からは箕輪山が見えます。
箕輪山も歩いてみたいなぁ。
稜線をさかいにして、東西で異なった景観を見ることができるのは、ここの魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。
しかも温泉にも恵まれているので、のんびり縦走もピッタリです。
きわどく残った岩がすこぶる気になりました。
面白いし、見ていてまったく飽きない。
稜線は風が強いので、背の低い植物が多いです。
この日の磐梯山は、あいにくの雲に隠れてます。
安達太良山の山頂では、アゲハチョウの歓迎をうけ、のんびり景色をたのむことができました。
前回の一切経といい、その前の雄国山や猫魔ヶ岳といい、今年はチョウに愛されてます。
ずっと思ってるのですが、ほんとどの山も良いですね。
時々、どの山が好き?と聞かれることがあるのですけれども、どの山もそれぞれ違った魅力があって、魅力をあげるとキリがないし、それぞれの良さがとても良いのですよね…
この日もとても楽しい山歩きでした。
また来ます。