雲の中の磐梯山

週末から週明けにかけて、日本列島の天気や人びとの活動に影響を与えそうな3つの台風を意識して、歩けるうちにどこか歩こうと考えていて、まだ歩いてない東吾妻か磐梯山のふたつに絞りました。

3つの台風のうち2つ、特に最初に影響がありそうな方が太平洋側沿岸部を通過の予報。
次のひとつは、九州から日本海を抜けて通過の予報。

天気図を眺めていて先に影響がありそうな台風は、早ければ土曜くらいから影響がありそうだな、と思ったので、南側になってしまうけど少しでも西側の磐梯山を歩くことに。

向かう車から見える磐梯山の山頂には笠雲が現れたり消えたり。
雲は山の南東から北西に流れていることから、すでに影響が出ていて、そう遠くない時間に雨が降るんだな、などと考えながら八方台登山口から歩きはじめました。

八方台のあたりに広がるブナ林は、1888年に発生した水蒸気爆発以後に育ったのですね。
どおりで若々しい幹のブナ林が広がるわけです。
いずれにしても、ブナ林の木漏れ日を歩くのは本当に気持ちがいい。

ゆるい登りのブナ林を越えると、一気に登っていくのがこのコースの特徴です。

しばらく歩くと、眺望の良い場所が何か所か現れます。

うーん。美しい。

とはいえ、南東から北西へと流れる雲の動きが速い。
向かっているときにときおり山頂が頭を見せていましたが、これは悪くなる方かなぁ。

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、例年より人が少ない気はしますが、自分が登山口の駐車場に着いた時点で第一駐車場は満車。

400m離れた第二駐車場に駐車したわけですが…帰る時に見た第一駐車場はエライ有様で、車を入れるスペースを逸脱したクルマも多数見られました。

首都圏ナンバーの車も多く、首都圏から近い那須、尾瀬、安達太良、磐梯、吾妻あたりは十分な装備…と言っても、よほど天候が悪くないかぎり多くの人が言うほどの投資は必要ないと思います。

ただ、この日の山頂もそれなりに冷えましたし、せめて低体温症を防ぐための雨具と靴だけは準備していただけるとうれしいなぁ…

よほど過酷な山、たとえば春秋や冬でない限り、雨具の上着ははユニクロのブロックテックでも十分で、ふだんも使っていただいた方がいいですし、下はワークマンで十分。
おそらく、あわせても1万円もしないと思います。

靴は…中がグチャグチャになるのがいやでしたら、運動靴ではなく相応のものを選んでいただいた方が良いように思います。

案の定、小屋近くからはガスというか、雲の中。

でも、花が綺麗ですね。
独立峰で風が強いせいでしょうか。

まだ初夏の様相です。
下界は超が就くほどの真夏なんですけどね。

ヤマハハコとチングルマ?
ずいぶん怪しいですが、美しい。心が安らぎます。

山頂は思ってたとおり雲の中。それでも楽しい山歩きでした。

この日は山の日前日だったからか、このほこらを拝みに来る方がたくさんいたのが印象的でした。

一方で、ここではなく、少し下にある看板目当てに来る人が多く、案内のあり方には少し考えさせるところがあるなぁと思いました。

帰りの小屋付近やお花畑では、風の強さからか展望の良いシーンなどがあり、景色の移り変わりを楽しむことができて、とても良い時間を過ごすことができました。

…何年も前から来ていて思うのですが、中ノ湯がもったいない。

この日もしっかりと火山性ガスをふくんだもの…つまり温泉を噴出しています。

歩いている人の多くが「帰りにどこの温泉によろうか」という話をしていて、その中の多くが使う八方台の経路上にあるここを活用しないのは、残念としかいいようがないのですよね。

もちろん、みんながみんな八方台を発着しているわけではないだろう?というのはあると思いますが、ひとつひとつの資源を適切な規模で活用して、環境保護の精神を広めながら環境そのものを活用していくことが求められる時代だと思います。

自然環境への恩恵と畏怖。
一度失ったら取り戻すことができないもの。

なんでもかんでも国が自治体がではなく、理解ある人の協力を得てのかたちでも良いと思います。
なんらかのかたちで保護保全に対する共感の拡大を目指していただきたいと思います。