日本のアウトドアを牽引してきた優れた会社のひとつが、Snow Peakでしょう。
「らしさ」や「個性」という概念をアウトドアの世界に持ち込んで、それまでのアウトドアでイメージされてきた宿泊研修やボーイスカウト的なイメージを拡張して、限られた人の余暇から、より一般的なところへ拡張したことが、Snow Peakの功績のひとつではないでしょうか。
今でも使っているアメニティドームMの居住性の高さには、感心させられますし、山歩きでも持ち歩くことの多いアルミ製のクッカーも、見た目はもちろん、細かいところで気が利いてます。
Snow Peakとその製品の魅力は、実際に使用したときの気持ちよさや満足感は言うまでもなく、手に入れたあとで使うイメージが想像できて、さわっていると欲しくなるようなところまでも兼ね備えているところでしょう。
せっかく新潟・燕三条 OUTDOOR EXPO 2022へ来たのだから、そのSnow Peakが提案するアウトドアスタイルを見ることのできる(キャンプもできるから、体験もできる)フラッグシップスポットであるSnow Peak HQを訪ねてみました。
三条市から南東へしばらく車を走らせると、里山から少し登ったところの粟ヶ岳を望む場所に、Snow Peak HQがあります。
景観を乱さない、空をスパッと切ったような屋根が特徴的な建物です。
Snow Peakがつくってきた製品とブランドを連想させる、ある種の潔さやクリーンさを感じます。
左手側がショップで、この建物の奥がキャンプ場。右側がSnow Peak MUSEUM。
FIELD SUITE SPAはこちらに入らず、さらに道を上った先にあります。
Snow Peak MUSEUMは残念ながら時間制で入れず。
おそらく、展示体験を最良のものとするために、ガイドの方がついて案内してくれるのでしょう。
もちろんショップの方は、営業時間であればいつでも誰でも入ることができます。
入った先には、特に気に入って愛用している人も多いと聞くFDチェアが展示されています。
たしかに座り心地も良いですし、なにより美しいです。
アウトドアはもちろん、こんなにも近代的な中でも空間を乱すことなく、それでも存在をしっかりと主張しています。
ショップを出て、キャンプ場へ向かってみると、気持ちのいい広大な空間が広がっています。
これがすべてキャンプ場…
これだけ上が開けていると、寝ころんでいるだけでも気持ちよさそうです。
もちろん、夏は木陰がないので暑いかもしれませんが、そこはSnow Peakのタープで木陰をつくってくださいということでしょうか。
最後が最も奥にあるFIELD SUITE SPA。
2022年4月にオープンした「浴・食・泊」をテーマにした複合型リゾート施設です。
相変わらずの美しさですが、こちらはファサードが目をひきます。
近づいて見上げると、なんと薪がつるされています。
自然体験を軸としてきたSnow Peakらしい、粋な演出です。
泊まって食べれば、最上の体験ができることまちがいないのですが、日帰り温泉もやっているとのことなので、キャンプでかいた汗を流すこともできますし、ちょっと立ち寄るだけでも楽しめます。
入りたいのですが…この日は時間がなかったので、エントランスに併設されたショップを見ることにしました。
宿泊や日帰り温泉をしなくとも、FIELD SUITE SPA限定のチタンマグやチタン先割れスプーンを買うことができます。
ピンクのようにも見えますが、おそらく国の特別天然記念物にも指定されていて、新潟県の鳥でもある朱鷺(とき)をイメージしているのだと思います。
たしかに、色ののり方がチタンの質感と相まって、過度に主張しない美しく繊細な優しい輝きを見せてくれます。
せっかく来たしというわけではなく、以前から欲しかったというのもあり、さっそく購入。
ながめているだけでも美しいですね。
いや、きっと使うというか、間違いなく使ってしまうのでしょうけど。
行きたいところ、やりたいことがたくさんあり、やり残したことも多い今回の燕三条は、ふたたび伺って、やり残したことを楽しみたいと思います。