この秋は、本当にいろんなところに行く機会に恵まれました。
なかでも花山(宮城県栗原市)には4〜5回は行ったと思います。花山の良いところはあげればキリがないんです。
どの土地でも良いところを考えると「食」と「景観」、あるいは「歴史」「文化」あたりを思いつくでしょう。人によって好みや関心に違いがありますから、誰にでも分かりやすいところだと「食」と「景観」だと思います。
花山の食は、まさしく地の利をめいっぱい享受しているのが良いところです。
栗駒山から鬼首にいたる火山活動が生んだ急峻な地形と、一迫川がつくった谷間上の地形は、下流に広がる平野部と比べたらかなり冷涼です。
この違いが、今や和食の一角を担う「食」をこの花山で美味しくいただくことができることにつながっています。
たとえば蕎麦。
冷涼な地域であることに注目してはじまった栽培は、美味しい蕎麦を提供する店舗がいくつもある地域を生みました。
写真は「山菜茶屋ざらぼう」のもりそば。
ふつう盛でも十分な量なので、こちらに天ぷらをつけても山菜茶屋の名の通り楽しめるのですが、どうももっと蕎麦をもぐもぐしていたくなってしまうんですね。
あまりに美味しいので、最近は天ぷらを控えて蕎麦を大盛りにしてしまいます。
もちろん今回も大盛です。
花山で食べる蕎麦は、どこで食べてもこの艶がすばらしい。
風味、歯切れ、のどごし、どれをとっても最高なのです。
だから大盛りにしたくなるんですが…
そして、花山と言えば岩魚になりつつもあります。
そもそもは、岩魚の養殖にはじめて成功した養殖場が栗原市北部、かつての栗駒町耕英にあります。それからこの地域には、いくつも岩魚の養殖場ができたそうです。
この地域での養殖方法は、やはり地の利をめいっぱい受ける方法。平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震により、その数も減少して、今は大きくやっている養殖場も減りました。
今でも大きく続けているひとつが、花山にあります。
お刺身や木の芽焼き、天ぷら…あるいは骨酒も美味しいのですが、基本は塩焼きです。炭火で焼いた香ばしい皮目とともに、頭から骨までいただく岩魚のなんと美味しいこと。
そして、秋ならではの食も。
花山は山菜やきのこもとても美味しく、遠くからもたくさんの方が買いにいらっしゃいます。
今回運良く、良い感じの舞茸を手に入れることができました。
この色がまたいいですね。
舞茸は、家に戻って乾燥させてから舞茸ご飯でいただこうと思います。
いったん乾燥させることで、舞茸の旨みが強くなるんだそう。
最後はデザートでがんづき。
もとは農業の合間で休憩をした時に食べられていたものですが、今は立派なデザートです。もっちりして食べごたえもあるので、食事としてもありかもしれない。
食べて景色を見ていると、花山だけで半日は余裕で過ごせてしまいます。
自然の家が提供するアクティビティも独自性があって楽しめますし、最近では一迫川につくられたダム周辺のアクティビティも充実しています。
歴史ある温泉もあるので、食に自然に歴史・文化にと、泊まりがけで楽しみに行くのもオススメです。自分も次は温泉に泊まりに行きたいですね。
また行きます!