TENETを見に行った帰り道、何かないかな?と立ち寄った道の駅つちゆのトイレで見かけたポスターに惹かれて参加してきました。
道の駅のすぐ下にある水源かん養保安林に整備された遊歩道を歩くツアーで、なんと参加費無料。
しかも当日参加OK(つまり申込なしでも参加していい)。
行けるかどうか分からなかったので、参加申込はせず、当日受付で参加してきました。
道の駅からは、一切経を見ることができます。
写真中央が一切経で、夏に歩いたときにはおだやかな山だったのですが、ここのところ急に寒くなったおかげで、一切経には雪があるのがわかります。
主催の方から聞いた話しによると、今日(10月25日)冠雪したとのことでした。
福島県中通り地方の今日の天気は「晴れ時々曇り」だったのですが、道の駅土湯のあたりは天気が変わりやすいうえとても寒い。
これには理由があって、道の駅つちゆのある会津から福島市を結ぶ峠道は、北の吾妻連峰と南の安達太良山に挟まれた少し低い地形になっていて、西にあたる会津から気象の影響を受けやすいためだそうです。
たしかに、ここに来るまで磐梯町、猪苗代町は数分おきに天気が変わるめまぐるしい感じでした。
そんな天気ですが、森の中に入ると木々に囲まれているせいか、雨風の影響は少なく、ときおり晴れ間の中気持ちよく歩くことができました。
森の中には落ち葉が堆積してふかふか。
紅葉した楓やきのこが、秋の深まりを感じさせてくれます。
今日のガイドは福島市にお住まいのカンノさんという方で、参加者は相馬市や千葉県など、遠方の方もいる10人近く。
そんな中、きぼっこの森の散策はとても楽しく過ごすことができました。
このツアーに参加するまで、きぼっこは希望子のことだと思っていたのですが、もともとこのあたりで「こけし」のことを「きぼっこ」と言っていて、その材料とされていた木々を今もよく見ることができるので、きぼっこの森という名前になったそうです。
今はこけしと言っているそうですが、こうして言葉を地域に残そうとしているのは、とても良いことだと思います。
それに、音の響きがかわいらしいですね。
きぼっこの森にはいくつか夏場に枯れる大きな水たまりがあって、春には水芭蕉が咲いたりするそうですが、その様子と寒い季節ならではの遠くまで見わたせる様子が尾瀬を思い出させる風景で、何度もふりかえりながら歩く、とても楽しい時間を過ごすことができました。
もう冬の足音が聞こえてきていて、秋を楽しむには残りの時間も少ないのですが、時間を作ることができれば、ぜひきぼっこの森を訪れてみてください。
秋を感じさせる紅葉だけじゃなく、クマのつめあとやイノシシのあとなど、わたしたちがふだん気にも留めない他者という自然の痕跡を、手軽に楽しむことができるでしょう。