Coyote 2021年 夏/秋 矢口高雄さん特集号

Twitterで知って、これは買わなきゃと思っていたCoyote 2021年 夏/秋号を買いました。
SWITCH PUBLISHING BOOKSTOREから買ったので、特典ステッカー付き。

釣りキチ三平を知ったのは、どこだったのかなぁ…思い出せないのですが、おそらくかかりつけの歯医者か内科小児科の待合室にある本棚が出会いだったと思います。

住んでいたのが阿武隈山地の、しかもそれほど奥ではない微妙な場所だったので、釣りキチ三平のような釣り体験などできるわけもなく、幼少のころはとにかく憧ればかりでした。

ある程度自由に移動する手段を手に入れたのは大学進学で引っ越した北海道。
ただ、自分の能力不足もあるのでしょうけれど野外活動が不足気味の日々。つまりほとんどコンピュータの前。せいぜいデイキャンプやジンパ(北海道では、外でジンギスカンをするジンギスカンパーティをひんぱんにやります)、あとは自動車で移動するあてのない車中泊の旅くらいでした。

それでもときおり、釣りキチ三平でイトウというどでかい魚を釣りに行く回があったなぁ、などと思い出していたのですが、結局行かずという、もったいない時間の使い方をしてしまったわけです。

不思議なことに縁はあるもので、東日本大震災と原発事故から抱いたそれまでの視点への疑問から就いたジオパーク専門員という職で、矢口高雄さんのふるさとである秋田県の近くに住むことになり、私的にも仕事にも、たびたび行くようになりました。

東北らしい素朴な土地柄が気に入り、自然観察やキャンプにずいぶん行かせてもらいました。

Coyoteは星野道夫さんの写真や言葉が好きで時々買っていたわけですが、いよいよ矢口高雄さん特集ということになります。

写真はもちろん文章も読み応えもありますが、2ページと少ないページながらも「水産庁 未来へ釣り場を残すために」は人と自然の関係、そして自然との向き合い方としてできることの試みを知る良い記事でした。

ふだんは道路ができた橋ができた、新しいお店ができたと、人びとのいとなみに目が向かいがちですけれども、相次ぐ自然災害でダイナミックに変わる景観を見ると、人が自然に与える影響というのも計り知れないことが分かりますし、またその関わり方についても考えなくてはならないことを教えてくれているように思います。

登山、山歩き、自然観察、釣り、カヤック、SUP、自然と関わるにはさまざまなやり方がありますが、今している体験や景観がずっと続くわけではないのだと考えると、関わり方について少し考えながら楽しむきっかけになると思いますし、その貴重な体験を子や孫につなぐためにはどうしたら良いのか、考えたり試みたりするきっかけになったらうれしいと思います。

写真を眺め、ときおり文章を読むだけでも楽しめますので、ぜひ読んでみてください。

限定の特典ステッカーも欲しい!という方は、ぜひSWITCH PUBLISHING BOOKSTOREからどうぞ。

星野道夫さんの特集号もオススメです。