温湯温泉 佐藤旅館

行きたい、行こうと思いながら、新型コロナウイルス感染症の流行で行動制限があったりで行くことができないでいた温湯温泉 佐藤旅館に、やっと行くことができました。

宮城県石巻市から秋田県由利本荘市をつなぐ国道398号は、かつて古い街道のひとつで、宮城県栗原市と秋田県湯沢市とを結ぶ区間は「小安街道」と呼ばれていました。

その小安街道の要所のひとつ、仙台藩花山村寒湯番所跡のあたりは温泉に恵まれ、少し奥まったところに佐藤旅館があります。

おそらく、祖父か祖母が好きで行っていたのでしょうけど、なぜか母方の実家に日本秘湯の会の本があり、そこで紹介されていたことから、かなり以前から知っていて、行きたい行きたいと思っていたのですが、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受け、長い休館に。

そしてようやく再開したわけで、ようやく行くことができました。

あれこれとお世話になった方とお話をしたり、市内を観光してようやくたどり着いたら、もうあたりは真っ暗に。

再開前に一度だけ中を見せていただいたことがあるのですが、あれだけの地震で受けた被害。そして10年を超える長い休館期間で、建物はずいぶんと傷んでいました。よくここまで復旧したものです。

受付のところには、自分も関わった「栗駒山麓ジオパーク特産商品『栗駒山麓のめぐみ』」の認定パネルがしっかりと飾ってあります。

このイワナの押し鮨がまた美味しいのですよ……。

知ってる方がみんな口をそろえて言うのは、「佐藤旅館のお湯がとても良い」。

味のある客室に荷物を置き、さっそく温泉をいただきます。
たしかに、みなさんがおっしゃるとおり。やわらかくて、とても良いお湯。

湯からあがってしばらくしても、ずっと身体が温かいままです。

ビールを飲んで、部屋でゆっくりして、お待ちかねの夕飯です。

イワナの塩焼き。
食べたかったのです。

日本酒と、よくあいます。

イワナのパリパリせんべい(だったかな…)。

これもまた日本酒とあう。本当にあう。ずっと食べていたい。

そして……イワナの押し鮨!

くさみもなく、イワナの旨みがたっぷりの押し寿司です。

ここまでイワナづくしなのは、理由があります。
宮城県栗原市は日本でイワナ養殖を体系化したはじまりの地なのです。

だからこそのイワナづくし。まさに、その土地のものです。
しかも、養殖されたイワナは、野生のものと違い十分に管理されているため寄生虫もなく、こうして押し寿司として生でいただけるわけです。

すばらしい温泉と美味しい料理を存分に楽しみ、ひさしぶりの栗原を思う存分楽しむことができました。

翌朝も晴天。

近くを流れる迫川を眺め、佐藤旅館を一望させていただき、また来ますと後にしました。

道を少し走ると、久しぶりにニホンカモシカ。

自然が近くて、とても良いところです。

また、行きます。